- 投稿 更新
- 不登校経験からわかること
この記事は、2009年当時1年間の不登校から中2の7月に復学した息子のことを綴った記事を再編集したものです。
復学後の中2の3学期に藤本先生と中学校へご挨拶に行った日に、色々とお話させてもらいました。
まだまだ、学校で色々起こる毎日で、親の方も生活の中で起こる問題になんとか対応には慣れてきたころでした。それでも、まだ子供からの問題行動があっても、それをどういった方向へすすめていけばいいのかわからない状況で、藤本先生にメールで支援してもらう毎日でした。
いくら問題があっても息子が今学校へ通っていることが奇跡であり、一歩間違えれば自分の部屋に引きこもっているであろう息子の姿が目に浮かびます。
もし、復学支援という道を選んでいなかったら?何をやっても無理なんだとあきらめていたら?
部屋からでてこない息子、それを見て家族もバラバラになっていたと思います。
さいわい専門家の方に助けていただきましたが、自分のことだけを思って喜んでばかりもいられません。
親の気持ち
不登校初期には、きっと皆さん通る道なのだと思いますが、親は混乱します。
自分の人生30年・40年生きてきた中で一番悲しい事件です。かわいい我が子のことですからなんとかしようと思います。
でも全く未知の世界でどうすればよいのかわかりません。
今は情報の世の中ですので、本やネットといろいろな方法が目にとまります。
でも自分が良いと思う方法は自分の価値観や基準の中で判断するので、子供にあうのか我が家にはどうかわかりません。
私も、つい自分は悪くないと思い、自分が楽になれる方法を選択したくなりがちでした。
我が家は息子の性格と家庭内の問題のせいだという考えがあったため、自分達家族の問題ととらえました。
しかし不登校のきっかけがいじめや学校の対応などであった場合、つい責任を他人にむけたくならないでしょうか。
子供が不登校になっても日常は変わりなくすぎていきます。どうすればいいんだろうと考えても答えがでないことが日常になってくると、親の心が疲れてきて自分が安心できる方法があれば、それが子供の状況にあわなくても無理にこれでいいんだと思っていないでしょうか。
私も自分が安心したいがために不登校の事実から目をそむけていた時期がありました。
あのまま時間がすぎていれば、又違った道を行っていたかもしれません。
不登校の情報
不登校の情報は、まず学校に求めるのですが公的機関としての学校であるため、営利目的の所の紹介はしてくれません。
担任に相談し、スクールカウンセラーに相談しますが、先生方は情報はもっていても、その子その子によって状況が違うため教えてはもらえません。
学校の中で不登校の子供が何人いるのか。
その子供たちはどんな対応をしているのか。
とても知りたかったのですが、個人情報であるため知ることはできませんでした。
子供の進路のことに関しては学校の先生・塾の先生・先輩のお母さんと、いろいろ情報収集します。子供の学力レベルもあわせて考えます。
それと同じように不登校解決の道もいろいろな道があるのだと周知されるようになればと願ってやみません。
このブログも少しでも誰かの役にたてばと思います。
○○の専門家
残念なことに学校の先生は教育の専門家ですが、不登校の専門家ではありません。
又病院の医師も病気の専門家として診断はしてくれますが、我が子にあった対応は10分程度の診察では難しいのではないでしょうか。(もちろんすばらしい先生もおられます)
私は不登校の息子のために、勉強というより人とのコミュニケーション能力を伸ばすために、家以外の場所を探しました。
私立のフリースクール・居場所としての私塾、他にも色々あります。
不登校の初期をすぎて、子供が落ち着いてきたと思った時、「学校は気になるけど、行かないんだから仕方ない」と思ってらっしゃる親御さんがおられましたら、この世の中には不登校の専門家がいることをぜひ知ってください。
学校にもどれるとは思ってなかった、という方もおられると思いますが、もしかしたらまだ知らない解決策があるかも・・とあきらめずに動くことが親の役割だったんだと今では思っています。
再登校したから言えるんだ。我が家はこれでいいんだと思う気持ちに、どこかにひっかかる思いはないでしょうか?
経験したからこそわかったこともありました。
もちろん我が家の方法が一番良い方法とは思いませんし、不登校は、子供一人一人違うように対応・方法も違うといわれます。
私の知らない方法・世界がまだまだあったと思います。でも子供のことを思って涙する辛い気持は親として皆同じだと思います。
我が家の反省は親があきらめた時期があったため、1年間という長い時間を息子に無駄に過ごさせてしまったことです。
当時この記事を書いた時は、こちらのブログの記事を読んで書かずにおられない気持ちになりました。
もしも・・・僕が立つことができるなら
この時の気持ちに間違いがなかったことは、10年後の息子の今を見て確信しています。
息子は、今仕事をして社会人として働いています。相変わらず勉強は苦手で、字も汚いですが(笑)
仕事場で同僚の方たちと談笑している姿をみて、学校という場で培った色々が今社会で働く息子の土台の養分となり、しっかりとした土台ができたことで、さらにその上に積み重ねることができるようになっています。
我が家の不登校に力を貸していただいた先生方に感謝の言葉を贈りたいです。
ありがとうございます。