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- 不登校経験からわかること
不登校と肥満は密接なつながりがあるといえます。
もともと、運動が苦手で学校でうまくいかずに不登校になって肥満が進むという場合もあれば、とてもスポーツが好きだったのに、不登校になって家から出られずに肥満になったという場合もあるかと思います。
大人と違って子供の肥満は環境に左右されることが多いです。その環境に不登校という問題があればさらに大きく影響されます。
我が家の不登校を経験した息子も見事な肥満体型となりました。その経験をふまえて書いてみました。
我が家の経緯
不登校を経験した息子は小学5年生の頃はそんなに背も高くなく、体型もどちらかといえばやせ気味でした。
身長は中学生になったころから伸び始め、今では私の身長を追い越しました。体重が小学6年生の頃から徐々に増えはじめます。
原因の一つに夏休みなどの長期休みの間の昼食にもあったと思っています。その頃はもう母は仕事をしていましたので、家に何もないと、ラーメンやコンビニの弁当ですませることが多かったようです。
母親の私も忙しさにまぎれて、子供の食事の管理ができていなかったと反省しきりです。息子は、小6の夏休みはよく一人で自転車に乗って遠くのゲーム屋や、古本屋に言っていました。このせいで下半身が発達し太ももが太くなりました。
中学校にあがってすぐ、よく膝が痛いと言いだしました。あまり痛みが続くようなので病院で診察してもらうと、『オスグッド・シュラッダー病』という病名をいわれました。
成長期の子供に多く、膝に強い痛みがでます。息子の場合は急激な体重増加と下半身の酷使に体がついていかなかったのだろうということでした。
膝の痛みは成長と共になくなるようで、ただ膝の下にできたふくらみ(出っ張り)が直らないだろうということでした。男の子なので特に気にせず、様子をみることにしました。
ただこのことの弊害として、ただでさえ苦手な体育が膝の痛みも加わって、嫌がるようになります。
- 膝が痛いから、みんなと一緒に走れない。
- 体型がみえる体操服がイヤ
これも学校を休む理由の一つだったのではないかと今では思っています。
我が家から中学校まで20分程かかり、帰りは急な長い坂道があります。毎日登校しているだけで、結構な運動量です。もともと体育が苦手なうえに、膝も痛い、体型も嫌・・・。
クラブもテニス部に入ったため毎日走らなくてはいけません。
中1の夏前から不登校になり、毎日の運動量が激減しました。家でゲームやパソコンの毎日です。でも食べる量は変わりません。
親もあまり食べることまで注意しても、もっと追い詰めるだけかもと思うと食事規制することもできませんでした。
不登校中の肥満
息子は、中1の秋頃から太りだし、それから半年間で見た目が変わるほど太りました。
ちょうど不登校の安定期に入るころで、親もそっとしておこうという気持ちが強く健康管理まで投げ出してしまっていました。
もともと食べることが好きな性格だったこともあり、家で用意しておくお昼を食べずに、
自分でラーメンを作ったり、チャーハンを作ったりしていたようです。
この年頃の子供の昼食は学校の給食で650kcal程度でしょうか。(我が市では中学校も給食があります)
息子は家でラーメンとチャーハンそれに唐揚と1000kcalは食べていたのではないでしょうか。
不登校期間中は運動量が減るわりには食べる量が変わらない又は増えるため太る子供さんが多いと聞きます。
ただ思春期の息子に、「太ったんとちがう?」「体重はかる?」とはなかなかいえません。
中2の4月になって新学期に再登校を自力でトライした時に学校での体重測定がありました。ここで初めて体重の増加を数値で目にしたことで危機感を覚えます。
数値でみる肥満
肥満は、BMIという肥満度を表す指標で判定します。
・25以上は肥満
・普通の男子中学生は20程度
※詳しくは記事後半で
- 中2 4月 BMI 31.6
- 中2 7月再登校 BMI 34.2・体脂肪45%
- 中2 1月 BMI 31.8・体脂肪38%
中2の4月に体重測定をした後は、又不登校状態だったので、夏前に再登校した時点ではさらに増加しています。体の半分近くが脂肪という現実は受け入れがたいものがありますが、これも不登校の弊害の一つです。
再登校後の肥満
再登校により学校生活で規則正しい生活を送っていたことで半年で5kg以上の減量と体脂肪の減少がみられました。
学校生活では本人がやりたくないこともやる状況がたくさんあります。そして毎日の習慣化が一番のダイエットとなりました。
本人も親の目の前で体重計に乗って、ちょっと減った!と喜んでいます。
ただ体重は食事の制限をしているわけではないためそうそう減るものではないのですが、体脂肪の減少がお腹の出具合の減少とつながって本人にも実感させてくれるようです。
成人とは違い、子供の肥満は食事を制限すると成長が阻害されることがあります。
食事の内容を変えることは必要ですが、量の制限は行いません。
運動量の増加と身長の伸びで肥満解消をめざします。そして、体重減少より現状維持を第一の目標とします。
ただ不登校児の場合は、学校にいけない状況の改善が優先事項のため、太っていることは二の次として考えます。
ある程度の肥満(少しぽっちゃりしている)であれば、気にすることはないのですが、我が家の息子のように小児メタボの範疇に入ってくると、今度は、心臓への負担・膝への負担・糖尿病の危険性の増加がみすごせない要因となります。
我が家の反省でもありますが、もし現在不登校中の子供さんがおられ太ってきた気がするという方は、ぜひ食事に気をくばってあげてほしいと切に思います。
息子は学校にもどりがんばっていますが、すぐに痩せるはずもなく、友達に「ブタや〜ブヒブヒ」とからかわれたことがあるようです。
これも親の私の配慮不足の結果です。
子供の肥満の傾向と対策
息子の現状を書きましたが、あくまでも我が家の場合です。
一般的な子供の肥満と不登校による肥満、そして問題点を整理しておこうと思います。
子供の肥満は学童期と思春期によっても判定基準が違います。
学童期(小学生)は年齢ごとの身長差が激しいので『肥満度』を使います。
もう一つの判定基準として『BMI』があります。
(※詳しくは記事最後に記載)
我が家の場合は、不登校時は14歳であり、ある程度身長が伸び大人に近くなっているため
『BMI』でもよいと考えます。
不登校児又は不登校経験児の場合は、本人への働きかけは微妙な問題があるため、病気の発現(糖尿病・心臓病・脂質異常症など)がない場合は、本人というよりまず親が実行し食事環境を整えるべきだと私は考えています。
もちろん本人の意識や運動習慣など必要なのですが、あまりマイナス面を押し付けることによって不登校に逆もどりでは意味がありません。
肥満児の傾向
- 朝食を食べない
- おやつをしっかり食べる(スナック菓子・ハンバーガー・ピザ)
- 飲み物にジュース・スポーツドリンク・甘いココア・コーヒーをよく飲む
- 夕食にお惣菜をよく利用する
- 外食が多い(週1回以上)
- 夕食に揚げ物がよくでる
- 洋食・中華メニューが多い
- マヨネーズをよく使う
- あまり噛まずに食べる・食事時間が速い
- 大皿料理が多い
- 夕食時間が遅い
- 夕食から寝るまでの時間が短い
- ながら食い(テレビをみながら食べる)
- 一人で食事を食べる(個食)
- 休みの日に1日中ゲーム・パソコンをしている
以上の項目であてはまるものが多いほど食べすぎになり肥満傾向が強くなります。
皆さんのご家庭はいかがでしょうか。
子供だけではありませんが、夜遅く仕事や塾から帰ってきて、短時間にかなりの量の食事をしてすぐ寝てしまうのは最も肥満を助長します。
これを避けるために帰宅が遅くなるようであれば、途中で少し何かを食べておき、その分だけ夕食の量をへらし、夜遅い夕食のカロリーを減らす。
そしてその分翌朝の朝食をしっかり食べ、その日の活動源として蓄えるようにします。
同じカロリーの食事をとるにしても、1度にどか食いするほうが身体に脂肪(中性脂肪)がつきやすくなり要注意です。
我が家の場合、この肥満の傾向の1・2・4・9・11・13ががあてはまります。
1 朝食をたべない
朝起きるのが苦手で朝食を食べないことが多いです。
だからといって、登校前にうるさくいうことの弊害もあります。(支援の先生は、朝食を食べるかどうかは本人の問題なので用意をしてあることを伝えるだけにするようにと教えていただきました)
朝食を食べない分、昼食(給食)でおかわりをします。これも一度に大量に食べることになるため、脂肪の蓄積が心配ですし糖尿病予備群のお子さんの場合は問題です。
息子の担任の先生が、『給食のおかわりは1番はダメ、誰かがおかわりしてから』ルールを作ってくださいました。
このおかげで、まわりの人とのペースをあわせることができるようになりました。
2 おやつをしっかり食べる
学校から帰宅後おやつを食べる時、家族が家にいないためセーブがきかない
9 あまり噛まずに食べる・食事時間が速い
これに関しては学校の給食でのルールや家で食べる夕食時に注意しています。又野菜などを大きく切り、よく噛まないと食べれないようにします。
4 夕食にお惣菜をよく利用する 11 夕食時間が遅い(20時〜20時半)
この2点に関しては親の責任です。
夕食は20時に食べ始めるように心がけたいと思います。又お惣菜の利用も反省です
13 休みの日に1日中ゲーム・パソコンをしている
本当はもっと運動を増やすことで、減量がスムーズに行くのですが、この部分は不登校経験児にとっては、あまり口出しはよくないのかと思います。
この6項目を変えていけるよう、息子の体重が増えないよう頑張るのも親の仕事ですね。
親ができる肥満予防の対策
生活習慣の項目(1.2.9・13・15)は不登校中であるならば、親は黙認していてもよいかと思います。
優先順位としては、親ができる食事の内容・環境の整備が大事といえます。
肥満防止のために親が実行したいこと
- 朝食は、食べても食べなくても普通の食事を準備する
- おやつは、あまりカロリーの高い物ばかりにならないようにする。子供の好きな物は量を決めて出す。それ以外は家に置かない
- 飲み物はお茶かお水として、冷蔵庫に甘い飲み物は置かない
- お惣菜を利用する場合は、野菜中心とする
- 外食はできるだけ控える
- 夕食の揚げ物は毎日はださない。(できれば週1回くらい)
- 夕食は和食中心とし、洋食・中華メニューでも量に注意する
- マヨネーズの好きな子は、自分でかけず先に親があえておく
- しっかりと噛まないと食べにくい食材を利用する。
- 1品料理(丼やカレーなど)よりも、ごはんとおかずに分かれた形態にする
- 夕食から寝るまでの間が3時間は空くようにする
毎日の家庭の料理をちょっと気をつけるだけで、家族健康度がグン!とアップします。
ぜひ、実行したいものです。
≪参考≫
肥満度の計算ができます▼
肥満度とは、標準体重に対してどのくらい体重がオーバーしているかをパーセントで算出し判定するものです。標準体重は検診などの全国の平均値をもとに決められています。身長が同じでも、年齢、性別によって体形や体組成に差が生じてきますので、標準体重は男女別・年齢別・身長別で算出されています。
プラスマイナス20%以内 … 標準体重
プラス20〜30%まで … 軽度肥満
プラス30〜50%まで … 中等度肥満
50%以上 … 高度肥満 と判定されます。
BMIとは「肥満度をあらわす指標」のことで、成人の肥満度を評価する代表的な計算方法です。最も病気にかかりにくい体重を調査し、その値を理想体重としているのが特徴です。(体重の単純な平均値ではなく、見た目のスタイルの良さなども考慮されていません。)
18.5未満 … 低体重
18.5〜25未満 … 普通体重
25以上 … 肥満
成人(目安としては思春期以降)では理想が22とされ、25以上から肥満I、II、…と肥満判定のレベルが上がっていきます。