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『不登校を経験した子どもたちは、その後どうなっているのか?』
息子が渦中の時に疑問に思っていたことでした。

我が家もお世話になったFHE(ファーストフォームエデュケーション)の卒業生のあんずさんからその後の息子さんの様子を記事としていただきました。

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あんずさんの不登校その後

 

9月、新学期が始まりました。
この時期になると家の窓から見える中学校に登校できなかった当時の息子のことを思い出します。

息子は中学1年の1学期に五月雨登校が始まり、9月2学期からは全く登校できなくなりました。

我が家は中学校のすぐ横です。2学期になり窓から見える中学校のグランドでは体育祭の練習が始まっています。練習の音、掛け声、音楽がにぎやかに聞こえる家の部屋で息子は登校できないまま悶々と過ごしていました。

 

それから秋、冬、と過ごし中学2年の春になっても登校できませんでした。
体調としては良好で、ご飯もしっかり食べてうちでゲームをしたりマンガを読んで過ごしていました。

 

ただ、たまに出かけるときは、隠れながら車に乗り込んでいました。
相談室に行こうと誘っても、本人は動きません。

どうしたらいいのか・・・
母だけが相談室に行く。
とにかく、母としてもできる限りのことはやっていたつもりでした。

  • ・担任の先生・校長先生・教頭先生
    ・学校の相談室・スクールカウンセラーの先生
    ・市の相談室
    ・民間の支援センター
    ・ブログ
    ・参考図書
    ・以前お世話になった恩師

 

息子が登校できるようになるありとあらゆる手がかりを探して、相談に出かけ、読みあさり、手あたり次第やってみました。

「行きたいんだけど、行けない」
それが彼の言葉でした。

 

我が家では、当時は、息子だけでなく、息子の父である主人も心の病気「うつ」に苦しんでいました。

息子のことももちろん、仕事での負荷もかかって会社に出社できない状態になり、休職していました。

 

うちの中に、男性二人が動けない状態の我が家でした。
『このまま、我が家はどうなってしまうんだろう??』
不安に押しつぶされそうな日々でした。

 

そんな中、不登校について書いていらっしゃるブログに出会い、そのブログを通して復学支援機関を知ることができ、先生執筆の本を取り寄せ、読み終わると同時に支援機関に電話をしました。

 

お忙しくされている先生と縁あって直接お話できたことで私の気持ちは大きく動きました。

それから、今まで出口に見えない暗いトンネルの中にいた自分にわずかながらも光が見えた気がして、まだ、正式に支援が始まると決定していないときからまずは行動!!と「会話ノート」を書き始めました。

そして正式に、支援がスタートすることになりました。

 

先生の支援は、息子だけでなく家族全体の問題としてとらえて親子関係、夫婦関係、兄弟関係あらゆる側面から分析をしてその都度、対応の指示を出していただきました。

まさに「家族療法」です。

 

こうした先生の様々なアプローチとサポートで息子の気持ちを登校に向けてくださり、中学2年の9月末に1年以上全く制服を着て登校できなかった中学校に息子は朝から登校することができました。

 

 

その復学の日は、長い間苦しかった日々から抜け出すことができた日。
自分の足で友達と学校に向かっている息子の後ろ姿を見ることができた日。
あの日の空は雲一つない真っ青な空でした。
人生の中で、一生忘れられない日になりました。

 

その後、おかげさまで友達と一緒に中学生活を送ることができ、無事卒業することができました。
復学してからは卒業まで一日も休むことはありませんでした。

「あの辛かった日々に戻りたくない」その気持ちが息子の背中を押したようです。

それから、高校に進学
高校も無事卒業することができました。

今は、大学生として学生生活を送っています。

 

 

もし、不登校ブログを書いていただいている方々に出会わなかったら…
あの時、先生と出会ってなかったら…
今の息子の姿はなかったと思うと、支えてくださったみなさんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

また、FHEの親の会でのみなさんとの交流も同じ悩みを共有できる貴重な場として大きな支えになっています。

9月の秋の空を見て振り返っていると辛かった日々とそれを抜け出せた日の両方が交差して思い出されます。

 

今の我が家があるのは、先生をはじめ多くの方々のお力があってのことであること。あらためてありがたいことであると実感しています。

一方の主人の体調は、息子の復学とともに回復し、今は病気と付き合いながら復職して勤務しています。

一時は会社を辞めることになるかも・・・とまで追い込まれました。
しかし会社がフォローしてくれる体制を整えてくださったことと、会社に戻ることを決心して、それに向けてのステップに自ら調べて前向きに取り組んでくれた主人にも感謝したいと思います。

 

子供が成人しても、家庭教育は継続しています。
支援を通じて学んだことを忘れずこれからも精進していきたいと思っています。

ランキングに参加しています。

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さいごに

 

あんずさん、貴重な体験の記事をありがとうございます。
当時、メールでお話しできたご縁が今以上に続きますように♪

 

今不登校から10年たった息子を見ると、まったく変りましたともいえない面もありますが、あの時の学びが今役にたっていることもたくさんあります。

もちろん、復学して何もなく普通に生活する子も多いです。
逆に、再度つまづく子もいます。

復学の方法があってる・違っているなどという理由ではないんですね。

 

ひとくくりに不登校といっても、その家庭は千差万別。同じ家庭は一つとしてないことが土台としてあるからと言えます。

今子どもの問題に立ち向かっているあなたの頑張りは、無駄ではありません。未来へ続く道ですね。

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