不登校の状況が各家庭によって違うように、パソコン・ゲームなども対応が家庭により違います。どの方法が良い悪いでなく、いろいろな体験があると思います。
そこで、このブログを始めて、お知り合いになれたフルーツさんにお願いし手記を寄せてくださいました。
ありがとうございます。ぜひ、たくさんの方に読んでいただければと願います。
『フルーツさん』のcase
我が家の娘は小3の6月から不登校になり、パソコン、オンラインゲームにはまりました。
その後間もなく復学支援を受け、適切なご指導によりネットから切り離し、スケジュール通りに再登校準備が進み、復学出来ました。
復学後パソコン解禁
復学後はパソコンなしで順調に継続登校を続けていました。
しかし2年が過ぎる頃(小5の10月)、調べ学習に支障があるという理由で、パソコンでネットをやりたいと言って来ます。
今の状態なら大丈夫だろうと判断し使い始めました。
使用前の話し合いで本人が言った「1日1時間、夜9時まで」というルールに決めてスタートしました。
始めのうちは守れていた時間がだんだんオーバーするようになります。
こちらも口うるさくなってしまうので、フィルタリングソフトを導入し、使用時間と内容の設定をしました。
パソコン解禁半年後
その後問題なく使用していました。しかし、半年程経った頃子どもは抜け道を探して、親の目を盗みながら時間・内容の制限なく使うようになりました。
これを何とかしなければと、やっている内容を調べて本体に規制をかけたりしました。
やがて、本体の規制もクリアする方法を覚え、こちらが追いかければ逃げて行くという、まさに「いたちごっこ」を繰り返すうち、お互いに不信感を募らせていきました。
私の頭の中にはいつも
「またパソコンばかりやってる」
「また勝手に何かやってる」
と我が子を疑う気持ちがありました。
親の管理の限界
そんなことを繰り返すうちに、とても追いかけきれないという限界も感じていました。
そしてこうやって親の目から逃れることばかりに神経を使っていて、何か重大なトラブルに遭遇した場合、子どもはきっと親に話そうとは思わないだろうということも十分想像出来ました。
実際に多くの子ども達が「警察に相談したいけど親にだけは知られたくない」と書き込みしているのも目にしていましたから。
そのように考えるようになってから、追いかけ管理することをやめ、様子を見ることにしました。
その頃はオンラインゲームもしていましたが、自分のホームページ作りにも時間を費やしていました。
親の方は、子どもが今やっていることを認めて行こうと、徐々に気持ちを切り替えていきました。しかし子どもの方は、親は自分を管理し、今やっていることは規制されるだろうと思っていたようです。
その後ネット上で
「自分は許されないことをしている。でもこれからは自分でちゃんと判断してやって行く。そのせいで生活に支障が出たとしても自分で何とかやる」
と私宛に宣言して来ました。
その後話す機会を持ち、私からは「今やっていることは悪い事ではないので隠す必要はない。今後ネットでトラブル等困った事があったら話して欲しい。日常生活とのバランスを考えてやるように」 と話しました。
規制よりも大事なもの
その事件(?)の後、パソコンのことにとらわれずに、親子関係、子どもの自立について改めて考えました。支援で学んだことやブログでの意見交換で勉強したことなどを実践するよう心がけました。
何かあるとついつい「パソコンばかりやってるから」と言いたくなるのをこらえて、そこは分けて考えてパソコンのことはつつかないように過ごしました。
ここで言ってしまえば「なんだ、結局干渉するんだ」と感じさせてしまうと思って・・・
それから5ヶ月経ち中学生になった娘は、授業に部活にと忙しく過ごしています。
帰宅すればすぐパソコンONですが、翌日の朝を考えて終了するようになって来たようです。
夜遅くまでやって翌日眠くてフラフラしたなどという経験もして身に染みたようです。
以前はなにかと反発していたのが、本音で話せる関係がだいぶ出来て来たので「今日は疲れているようだから早めに寝たほうがいいよ」などの言葉も素直に聞くようになって来ました。
パソコンとそれをする娘を悪者扱いせず、純粋に体調を気遣う気持ちを伝えると、娘もそれに応えるような感じがします。
今後はパソコンを含めた生活管理を子ども自身が上手くやっていけるよう、生活全般の自立を目指した子育てをし、充実した学校生活を送れるよう応援していきたいと思います。
そして娘が大人になった時、自分でしっかり判断してパソコンを使いこなせる人になっていることを目標に、あと何年かの子育てを頑張ろうと思っています。
パソコン使用についての判断は各家庭様々で、我が家のケースは特殊で参考にはならないかもしれません。
こんな親子もあるんだなと読んで頂ければと思います。
フルーツ
コメントいただきました
他人事ではありません
フルーツさんのレポート拝見しました。中学で不登校を経験したうちの息子(高1)はMMO仮卒業、娘(中2)は携帯電話代が嵩むことから絵文字の使えるyahooメールに夜遅くまではまっています。
ネットは線引きができませんから,再発したり,深みにはまっていく恐ろしさがありますね。
このレポートから、不信感を募らせるだけでは解決に結びつかないことを学びました。
ネットの線引きは、子どもの年齢が大きくなるほど難しくなって来るように思います。
再発や深みにはまる心配は私も常にあります。
そのような問題も、疑いの目からではなく、一緒に考えて行く姿勢で関わって行きたいと思っています。
フルーツさんへ
小3でネットにはまるのは、親としてとても心配だったと思います。
リアルな世界で人との関わりを十分経験せずに、ネットの世界にはまる、私たちの世代では考えられないことですから。
>パソコンとそれをする娘を悪者扱いせず、純粋に体調を気遣う気持ちを伝えると、娘もそれに応えるような感じがします
ここまで思えるようになるまでは本当にご苦労もあったと思います。
ただただ、フルーツさんの忍耐力に感動します。
不登校の時は本当にとても心配しましたが、支援の先生を信頼して頑張りました。
パソコン関連ではたくさんの出来事があり、何度も「こんなものさえなければ」と思いましたが、今ではパソコンの問題のおかげで親子関係が改善されたとも思えるようになりました。
フルーツさんへ
ネットでゲーム、うちの子供たちもとても好きです。息子は復学してからも休みの日は長時間していました。こんな長時間して大丈夫かなと不安になりました。
中学になりクラブや塾で毎日忙しいので、まれにオンラインのゲームをしていますが1時間くらいしか出来ません。
忙しくなったり他に興味が出ると時間の関係で出来なくなったと思います。
しかし基本的にはゲームは好きなので、うまく付き合っていくことが出来ればなと思っています。貴重なお話有難うございました。
ふーみんさんへ
長時間パソコンをしている子どもを見ていると、いろいろな心配が頭に浮かび不安になってきますよね。
息子さんは忙しくなって出来る時間が減ったのですね。
我が家も忙しい中学生活でパソコンへの接触時間が減ったことは親の不安を少なくしています。
今後も試行錯誤しながらも子どもがパソコンとうまく付き合っていけるようサポートしていきたいと思います。
フルーツさんへ
パソコンの件に関しては、以前お会いした時も話題になりましたよね。
わが家の娘も不登校の時にはパソコンにどっぷりはまっていましたが、親が変わることによって、この問題はすぐに解決しました。
なので正直あまり、切実な問題にはなっていないので、コメントが難しいテーマです。
ご存じのとおり、わが家では、パソコンは1日1時間以内という制限で使用を認めていて、子ども達自ら、パソコンの横にストップウォッチを置いて時間を計り、今のところその約束はしっかり守られています。
また、ダウンロードや何か新しいことを始める際には、必ず相談をしてきて、親のOKが出たらやるし、ダメと言われれば諦めています。
時々、もう少し時間を多くしたいと交渉してくることもありますが、現時点ではそこは譲りません。
ayamiさんのところも、DSにはまっていたりの問題がありましたが、親が変わり、学校生活を送る中で、その問題は解決されたことを見てきたので、わが家のケースと合わせても、正直、私はそれが普通(親の対応の問題)だと思っていたのですが、フルーツさん方のお話しを聞き、非常に個人差があり、一概にこれが正解とは言えない問題なのだということがわかりました。
「いたちごっこ」になってしまったお話しを聞き、わが家のケースは全く当てはまらないのだなと。
ただ、「親に言われて仕方なく」という気持ちが強過ぎると、子どもは抜け道を見つけ出すのだろうなと思います。
どこかでやはり「自制心」というか、親に言われるからということだけではなく、自分自身で判断したり納得したりという気持ちがあれば、「自制」することが出来るのではないかと思います。
なので、パソコンという現象だけを何とかしようとするのではなく、やはり、日々の生活や、親子関係も大事ですし、やはり、一人の人間として成長することが大事だと思います。
パソコンに関しては、「子どもに任せる」だけでは通用しないし、かと言って、闇雲に恐れて「完全に禁止」としても良くないでしょうね。
なので私は、成長と共に、自制する力がついてきたら、一つ「信用」を上げて、少しずつ権利を増やしていくというのがいいのかなと思ったりします。
こういうことが出来るようになってきたから、今までダメだったこれを許可するみたいな・・
義務と権利は一体であることを、子どもにもわかってもらいたいですし・・
メロディさんへ
ルールをきちんと守り許可された範囲でパソコンを使うことが出来れば、心配は要りませんね。
我が家も復学から2年間の継続登校では大きな問題も起こらず順調だと思っていました。
ルールを決めた時も子どもは納得していると思っていましたし、年齢に応じて許可する範囲を広げていくつもりだという話も何度もしました。
結果的にそれが上手く作用しなかったのは、親の対応に問題があったということかもしれません。
子どもの個人差も関係しているかもしれません。
今娘は、いろいろ失敗しながら(宿題をする時間が足りなくなったり、夜遅くまでやって翌日眠かったり)自分で時間を考えるようになり始めたところです。
ネット社会の荒波を自力で上手く泳いでいけるよう応援していきたいと思っています。
フルーツさんへ
うちの娘もパソコンは生活の一部となっていますので他人事ではありません。
今のところ1日2時間以内23時までの条件でやっていますが、ネットゲーム(MMOはしていません)チャットをやっていると時間をオーバーすることもあります。5分、10分なら口を出さず待ちますが20分もオーバーしてくると主人から注意されます。あと我が家はパソコンを主人の寝室においているのでまだ大きな問題はありませんが、娘の学校の友達には親が寝静まってからリビングで深夜やっているという話もあります。
やはりパソコンとつきあっていく以上、自制心(自立と自律)を育てていく必要を感じます。
そしてフルーツさんが言われるように何か重大なトラブルにあった時、親に隠すのではなく相談される親であるためにもふだんからの親子関係が大切だと思いました。
自分の子ども時代とは全く違う時代を生きる今の子どもを見守りながら親も常に勉強が必要だと感じます。貴重なお話ありがとうございます。
piano さんへ
piano さんのご家庭では、パソコンをご主人の寝室に置くことで大きな問題が起こらず済んでいるのですね。
パソコンの置き場所について、一般的な本などでは、親の目の届くリビングに置きましょうと言われていますが、娘さんのお友達のようなケースもありますから考えてしまいますね。
私の目標としては、中学卒業の時点で、日常生活との折り合いを自分で考えて使用出来ること、18歳までに誰も見ていなくても自分で全て判断して使っていけるレベルになっていることです。
親が見ている、見ていないに関係なく1日24時間を自分の責任で管理出来るようになって欲しいと思います。
もちろん、何か困った時は何歳になっても相談に乗り一緒に考えて行くつもりです。
こんにちは
パソコンやゲームにはまると、現実から簡単に逃避できる怖さがありますね。
それにどんどん時間が多くなり、内容が深くなってくると本当に心配です。
フルーツさん、よくそこまでもっていかれたと感心します。
普通、なかなか難しいですよね。
うちは中3男、特に時間規制はしていませんが、ある程度自分自身でコントロールしているようです。
ゲームをする時間も多いようですが、勉強とバランスをとっているようですので、もう少し静観しようと思っています。
貴重なお話しを聞かせていただいてありがとうございました。
空飛ぶミケ猫さんへ
パソコンの一番怖いところは、おっしゃるように簡単に現実逃避して深みにはまっていく可能性があるところですね。
親が管理せず子どもの判断に任せる場合でも、限界は設定しておかないと取り返しの付かないことになることも考えられるでしょうね。
今の我が家については、時間としては登校に支障が出ないこと、内容としては世の中で許される範囲、というところが限界線かと思っています。
パソコンで起こり得る問題を予防するためには、現実の生活を充実させることが一番大切だと思います。
そのためには常に親の勉強を怠らず元気に楽しく学校へ通える子を育てていくよう頑張ろうと思います。
息子さんは自分自身で勉強とのバランスも考えることが出来ているのですね。
娘にとっては勉強とのバランスが今後の課題になってくると思っています。
フルーツさんへ
我が家は中学生・高校生での不登校の経験で、ネット・MMO・携帯ゲーム・携帯といろいろな問題に直面しました。
フルーツさんは小学生での経験で、迷われることも多かったと思います。
それを乗り越えて、ご自身の考え方・娘さんとの関係の考え方の移り変わりが、今回の記事でよくわかりました。
パソコンやゲームのことばかり表面に出てきますが、根本は子供との関係作りなのだというご意見に賛成です。
我が家も、フルーツさんの体験を参考にさせていただき、子供から話してくれる関係が作れるようがんばっていかないとと思いました。
本当にありがとうございます。又ご意見聞かせてくださいね。
ちゃろさんへ
今回はこのような場を提供して頂きありがとうございました。
改めていろいろ振り返ることが出来、頭の中もだいぶ整理されました。
本当に「まだ小学生なのに...」と思うと、情けなくなったり先行きが不安になったりしましたが、この先中学生、高校生と大きくなっていけば避けられない問題になると考えることで、解決へ向かう事が出来たように思います。
そんな時にちゃろさんのお子さんの様子を知ることが出来たことが、私の考えを変化させるのにとても役立ちました。
本当にありがとうございます。